NLPを実践して活躍する卒業生たち

田中真央

田中 真央

職業 パーソナルトレーナー

■天職の「運動指導」

私は、15歳の時にウエイトトレーニングをはじめたことをきっかけに、
クライアントさまの健康をクライアントさまと一緒に創造していく「運動指導」の職業に、
かれこれ10年以上かかわっています。
お客様とともに「健康な体を創る」というこの仕事が私は大好きで、
自分の「天職だ」と感じています。


2003年6月に「パーソナルトレーナー」という、
従来の運動指導からさらにそのクライアントさまの個人的なデータに基づいた、
もっと密着したコンサルタントをしていくための資格を取得し、
研鑽を重ねております。


おかげさまで多くのクライアントさまからコンサルタントを依頼され、
大変充実した毎日を送っています。


■なぜか「通じない」言葉

ある女性クライアントさまのAさんのコンサルタントをして今年で2年目になります。
この方は、今でこそとてもスムーズにコミュニケーションをとっていますが、
昨年まで、つまり、彼女のコンサルタントをはじめてから1年間、
Aさんは私のアドバイスや説明などが「なぜか通じないことがある」方でした。


データを示して、運動メニューや普段の生活の中での
健康に暮らすためのアドバイスをお伝えしているときには、
とても熱心にメモをとり、また週一回のレッスンもかかさず出席されているにもかかわらず、
なぜか「これが重要だ」という点を必ず忘れたり、やらなかったりするのでした。
たとえば、こういうことがありました。「腰がいつも重い感じで、右足があがらない」と
いうAさんの靴を拝見して、その踵の減り具合やはき方を見て、
「ヒールを低いものにし、できれば紐靴でつねに足の一部になるくらい
ぴったりと履いてみてください」とアドバイスし、
ウオーキングの方法なども練習しました。


「こうやって歩くと、楽ちんだわ!」とジムで練習した時は
喜々として帰られたにもかかわらず、
次の週いらしたときはまた前と同じ8センチはあるかという
高いヒールの靴で膝をまげて、疲れた様に足を引きずってこられるのでした。
そして、「腰が痛いです」とおっしゃるのでした。
ジムで階段登りのトレーニングをしても、
やはり右足が十分にあがらず、躓いたりもしていました。


私は、「う〜ん、やはりもう少し長い間、
低い踵の靴でウオーキングを続けてみてほしいんですけどね・・・
腰痛改善のためには高いヒールではない方がいいんですけどね・・」と
やわらかく説明しました。


Aさんは心持ち顔を曇らせましたが、
「はい、わかりました」といってくださったので、
私は「わかってくれたかな」とそれ以上は言わず、そのままにしていました。


しかし、Aさんは、「わかりました」とおっしゃったにもかかわらず、
「腰がいたい」と嘆きながら高いヒールを履きつづけました。
私は、「Aさんはなぜ高いヒールを履くことをやめないんだろう」
「なぜなんだろう」と思いながら、今にして思えば毎回、
同じような言葉で、低い踵の靴を履くことを勧めていました。


■NLPとの出会いで見方がかわる

Aさんのことが気にかかりながら
ネットサーフィンをしているときに、NLPのことが目に入ってきました。
はっきりした理由はわからないのですが、
壁にぶつかってもがいている気分だった私は、
「このNLPのコミュニケーションを勉強してみると、
なにかが変わるかもしれない」と直感しました。


そこで、すぐにプラクティショナーコースに申し込みました。


コースでならったことは様々に役にたったのですが、
その中でも、原田トレーナーのセッションで教わった
「すべての行為には肯定的な意味がある」ということが、
私のAさんについての見方を、劇的に変えてくれました。


具体的には、こんな風に自分のコンサルタントの時間に応用しました。


腰痛になりながら、そしてその「履くのをやめた方がいい」と運動指導の私からも、
また通っているという整形外科の医師からも指摘されていた
「高いヒールの靴」を履きつづけるAさんに、
「高いヒールを履くと、どんな気分ですか?」と問いかけたのです。


すると、Aさんは瞳をかがやかせて
「とても気分がいいんです!」とすぐに答えてくれました。


私は、「あ、そうなんだ、気分がいいんだ・・・」と全面的にAさんの言葉を受け入れ、
次に、「ぺちゃんこの踵の靴を履くとどんな気分ですか?」と聞きました。
Aさんはさみしそうな顔をして、
「わたし、背が小さいので・・・・」と言葉をのみこんでしまいました。
Aさんは身長が145センチで、たしかに、同年齢の女性より小柄ではありました。


腰痛の原因だろうが、足があがらなくなる原因だろうが、
高いヒールの靴を奪われてしまうことは、
Aさんにとってとてもつらいことだったんだ、
やめたくないことだったんだ、ということがこの時はじめて心に響いたのでした。


つまり、「高いヒールを履くこと」=
「腰痛の原因となり体に悪い否定的行動パターンであること」=
「しかし、Aさんにとっては背が高くなり、気分のいい 肯定的な意味のあること」
ということがやっとつながったのでした。


そういう「気持ち」はAさんは口に出して言ってくれませんでした。
まじめにせっせと健康増進のための「運動指導」に通ってくれている
Aさんの本当の気持ちを察することなく、
私は医師とおなじような口調で「Aさんがつらいと思うこと=低い踵の靴を履くこと」を
強要していたのでした。
これでは自分の言うことが相手に通じるわけがない、
ということがはっきりわかった瞬間でした。


■「すべての否定的行動パターンにも肯定的意図がある」

よりよく、より健康に、という目的がはっきりとした
「運動指導」を職業としてきた私には、
「なぜ体に悪いとわかっているのにその行動パターンをやめないんだろう」
「頭で“健康に悪い”と理解したら簡単に行動パターンを変えることができるはず」
などの「信念」がありました。


ところが、日本コミュニケーショントレーナー協会のプラクティショナーコースにおいて、
「すべての否定的行動パターンにもその人の肯定的意図がある」ということを教えてもらい、
その「肯定的意図」を知るための「問いかけ」を
セッションにおいて実際に行ってみることによって、
さらに深くクライアントさまが「本当に思っていること」がわかってきたような、
そんな気がします。


そして、クライアントさまも私が発する「問いかけ」に
答えることによってご自分自身の深い所にあった思いや考えを「表現」することで
新しい発見があるようです。
私はNLPについて、まだまだ勉強中です。
この気づきを大事にして、クライアントさまの深い理解に役立てていきたい、
と思っております。


Aさんへは、「踵の低い靴をはいても膝をのばして颯爽と歩くことによって、
踵の高い靴で膝・腰をまげるより背が高くみえる」ということを
鏡やデジカメを駆使して納得してもらうことをはじめ、
腰痛を改善することに成功しつつあります。
私も壁をひとつクリアした、という気分でとてもうれしいです。


Profile プロフィール
田中 真央
田中 真央

15歳からウエイトトレーニングをはじめ、18歳から運動指導の仕事に就く。2003年6月にパーソナルトレーナーの資格を取得、2006年よりフリーランスのトレーナーとして現在に至る。管理栄養士の妻と、トータルな体と心のコンサルタントを行える場所を創ること・NLPのスキルをアスリートや一般の方にも広げていくことが将来の夢です。

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