NLPで読み解く「葛藤」とは?|心がぶつかるときに起こる心理のメカニズム
2025年11月12日
1.「葛藤」は心の中のキャッチボール不成立
こんにちは。
日本コミュニケーショントレーナー協会の猪瀬です。
「やりたいけど、怖い」「言いたいけど、嫌われたくない」――そんなふうに、心の中で“相反する気持ち”がぶつかることはありませんか?
これが心理学でいう「葛藤(conflict)」です。
言い換えれば、自分の中でキャッチボールができていない状態。
片方の自分が「こうしたい」とボールを投げても、もう片方の自分は「それは危ない」と受け取らない。
脳内では延々と“ノーキャッチボール状態”が続きます。
そしてそのうち、ボールを投げる気力すらなくなってしまうのです。
2.NLP的に見る葛藤の正体
NLP(神経言語プログラミング)では、葛藤は「複数のポジティブな意図がぶつかっている状態」と考えます。
たとえば、
「挑戦したい」=成長したいという前向きな意図
「失敗したくない」=自分を守りたいという前向きな意図
どちらも、あなたの中で“良かれと思って”働いている心の力です。
つまり葛藤は、敵同士の戦いではなく、味方同士の相談。
ただ、どちらもマイクを離さないせいで話がまとまらない――
それが、葛藤の正体なのです。
3.おもしろい豆知識:脳は矛盾が大の苦手
人間の脳(特に前頭前野)は、同時に2つの矛盾する目標を処理するのがとても苦手です。
「やりたい」と「やりたくない」を同時に考えると、脳の実行ネットワークが混線して、エネルギーを大量に消費します。
だから、葛藤したあとの「何もしたくない…」という感覚は、意志の弱さではなく、脳が本気で疲れている証拠なんです。
少し笑える話ですが、脳にとって葛藤は「高スペックな自分どうしの会議」であり、その議論が長引いているだけ。
悪いことではなく、むしろ“真剣に生きている証拠”とも言えます。
4.まとめ:葛藤は「心のバグ」ではなく「更新通知」
葛藤は、あなたの心が「そろそろ新しいやり方にアップデートしよう」と知らせてくれているサインです。
NLPでは、心の矛盾を“なくす”のではなく、“統合する”ことで次のステージへ進むと考えます。
もし今、迷っていることがあるなら――
その葛藤は、あなたの中の成長と安心が仲良く話し合おうとしている時間なのかもしれません。