「真似る」は「学ぶ」

創始者米国NLP™協会認定資格取得スクール

「真似る」は「学ぶ」

2019年06月03日

真似られる人がいますか?

「学ぶ(まなぶ)」という言葉は「真似る(まねる)」と関係があるそうです。
「真似る」は元々、「まねぶ」という言い方で使われていたらしく、
「まねぶ」と「まなぶ」が同じ語源から来ているのだとか。

それだけ何かを学び、身につけるという時には、
「真似る」という行為が重要だと考えられていたのかもしれません。

NLPは3人の心理療法家をまさに「真似る」ところから始まり、
その技術を体系化していったものですから
真似から学ぶということの大切さをそれ自身で語っていると言えるでしょう。

そのように「真似る」ことから学んでいくプロセスを、
NLPでは「モデリング」と呼びます。

モデリングの技術も細かく見ていくと色々とあるわけですが、
どのような部分に着目するにせよ、必ず重要になってくるポイントがあります。

それは情報収集です。真似るためには、
その対象のことを良く知っていなければなりません。

一回見ただけで真似られるほどの
記憶力を持っている人は滅多にいません。

テレビのバラエティ番組などで
芸能人に動物や名所・旧跡の絵を書かせたりするコーナーがありますが
その絵で笑いが起きるぐらいに多くの人はいい加減な記憶をしているということです。

試しに描いてみて頂けると分かると思いますが
エジプトの「スフィンクス」、『ローマの休日』で
お馴染みの「真実の口」シンガポールにある「マーライオン」など
おぼろげに覚えているようでも
絵に出来るほどではない人が多いはずです。

良く知っているつもりの動物でさえ
意外と絵に描けるほどに覚えているのは難しいものです。

ということは、誰かを真似て学んでみようと思っても、
どうやって真似ればいいのかも分からなかったりするわけです。

真似をするためには、その対象の情報を徹底的に
調べる必要があるということです。

目的を持って真似てみる

時には、真似をしたくても相手のことを
調べようがないというケースがあります。

真似をしようという対象に関して情報が少ないときは
真似したときに得られる情報が断片的になります。

断片的ではいけないというのではありません。
断片的な情報がヒントになって、大発見につながることは良くある話です。

言ってみれば、少ない情報で真似をしてみて気づきを探すのは、
ブレインストーミングや雑談に似ているわけです。

ある程度の目的はあっても、結果の方向性を気にしていない状態です。
自分以外の人の情報を利用して、新たな発想につなげていくプロセスとも言えます。

他の人が話した内容をヒントにしてアイデアを生み出したり
関連した情報を交換したりするのと同じように
真似を通じて自分になかった要素を体験することで
新たな気づきが得られるということです。

それに対して、真似をする人の情報を大量に持っていると
目的に応じた取り組み方が可能になります。
これは、意思決定の会議や相談の場面に似ています。

とりあえず他の情報を利用してみるというのではなく
明確に意図と方向性を示すことができるのです。

優れた人の成果の出し方を学ぶこと
作業の進め方を学ぶこと、思考のプロセスを学ぶこと
特有の振る舞いを学ぶこと…何に焦点を当てるかによって
必要となる情報は変わってくると考えられます。

どの情報が目的と関連しているかが分かっていれば、
必要な情報を選抜することもできるでしょう。

しかしながら、対象とする人の行動のうち、
どの部分が目的と関連しているかは他人には分かりません。

とにかく細かく真似をしてみたときに、
初めて重要性に気づくことがあるものです。
だからこそ、学ぶ対象の情報を詳しく知っておくことが大切なのです。

イチロー選手を真似てみたら…

 

細かく詳しい情報というのは、その人の振る舞いの細かい部分を含みます。

考え方や意識の向け方などを話の内容から知ることができれば望ましいですが、
それが出来ないことは頻繁にあるはずです。

そうしたときこそ、振る舞いの細かい部分を
真似ることで内面にまで迫ることができるのです。

たとえば、イチロー選手のようにヒットを打ちたいというケースで考えてみましょう。

ただし、メジャーリーガーの球を打つには
運動能力や動体視力などの身体的特性も必要になりますから、
あくまで「ヒットを打つ確率を上げる」という部分に焦点を当てた上でのことです。

イチロー選手ほど有名な人であれば真似られるポイントは膨大にあるはずですが、
ここでは特徴的な部分として、バッターボックスに
入った後にする独特の仕草に注目してみます。

多くの野球少年が真似をするバットを立てたあのポーズです。

バットを右手に持って右肩を支点に時計回りに一回転。
右腕が地面と水平になるあたりで一旦静止、
バットを立てて持った右手はピッチャーの方向に向いています。

このときの仕草を徹底的に細かく真似ると、様々なことに気づきます。

例えば、両手の指先には、あまり力が入っていないように感じられたとします。
このことから、上半身はリラックスして、
バットの重さを敏感に感じられる状態なのではないかという推測が浮かびます。

また、バットを立てたときの姿勢も細かく真似てみると意外なことに気づきます。
イチロー選手は、バットを立てたあのポーズで少し静止します。
そこには自分なりのタイミングを作り出す意味もあると思います。
それは他の選手もやっていることのようです。

イチロー選手がバットを立てて静止しているあの形。
重心を少しピッチャーと反対側にかけ、
アゴを引いた状態にしていることが見て取れるはずです。
少し頭をピッチャーから遠ざけているわけです。

興味のある方は実際に鏡の前で、
傘とか長めのペンを持ちながら真似をしてみて頂けると良いのですが、
あのポーズはアゴを引いて重心を後ろ側にかけるのと
そうでないのとでは全然印象が違います。

そしてバットを持っていないほうの左手は右肩の上にあります。
視野の中には、ちょうど正面に右肩の上に添えられた左手があり、
その奥には右手で持ったバットが垂直に立っています。

この景色を、アゴを引いて眺める状態。

実際のイチロー選手の視野の中には、
バッターボックスから見た野球場の背景とピッチャーの
姿も見えているはずです。

では、そこから何に気づけるでしょうか?

私の印象ですが、このポーズには「何かを合わせる」とか
「方向を定める」といった雰囲気を感じます。

一般には、侍が刀を構えるようなイメージだと
言われることが多いそうです。

アメリカ人からすると、日本人のイチロー選手には
余計にそんなイメージが浮かびやすいのかもしれません。

確かに、剣道の試合の前のように、
勝負に向けて構えているように見えなくもないでしょう。
しかし、それは客観的に見ている視点から生まれる発想です。
徹底的に真似をすると違ったことにも気づけるのです。

真似てみると気づくのは、あのバットを立てたポーズが、
「デッサンをするときにペンをモデルのほうに向けて立てる仕草」や
「射撃やゴルフ、ビリヤードで狙いを定める場面」の感じに近いということです。

ピッチャーとの対戦という雰囲気よりも、
自分がこれから行動を起こすバッティングというものに
意識を向けている印象を感じるわけです。

本当に真似るべきもの

 

真似から学ぶというモデリングのプロセスは
日本の伝統的な技能において採用され続けてきたもののようです。

「見て盗む」などという言葉が使われるように、
教わるよりも自分から学びとるといった風習が強かったのでしょう。

それは時に非効率的だったこともあったかもしれません。
分かりやすく教えてくれれば、技術の継承は楽に行われたかもしれません。

しかし、現代にまで息づく伝統的技能の
多くは芸術的な域にまで高められています。

それは、ある程度の基礎的な技術を身につければ
可能になるようなレベルではないのかもしれません。

言葉には言い表しにくい大切なことを
引き継いでいかなくては辿り着けない世界なのかもしれません。

言葉で言われて納得できることと、そうでないことがあるものです。
頭では理解できていても腑に落ちていないという状態もあるのです。
自分自身で体験して初めて納得できることがあるのです。
本当に大切なことというのは案外そういうものかもしれません。

それを伝えていくためには、あえて言葉で教えない方法も1つのように思えます。

技術を学ぶために師匠の一挙手一投足を真似てみて、
そこに込められた想いも一緒に学んでいく。
徹底的に細かいところまで真似てみて、心の中の本質に気づいていく。

そうやって辿り着いた高みが引き継がれている世界があるのでしょう。

本当に大切なことは、言葉で伝えるのが難しいものなのかもしれません。
自分の行動は人に何を伝えているだろうか?

そのことを考えたとき、
私たちは自分の生き方に向き合えるような気がします。

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