目標というセレンディピティ

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目標というセレンディピティ

2019年06月17日

まずは現状を把握する

 

目標が明確に定まらないけど
進みたい気持ちを持っている方であれ、
現状の問題を抜け出したい方であれ、
ハッキリとした目標を描いている方であれ、
「進んでいく」ということに関しては共通する部分があります。

そして、「進んでいく」ためには、
ちょっとしたコツがあるようです。

それは人生というような大きな目標に対するものだけでなく
仕事上の課題などの身近なものにも効果を発揮するはずです。
今回は、そのコツを紹介してみたいと思います。

私は以前に、企業で研究員として働いていました。
専門は生物化学。いわゆるバイオテクノロジーで
アミノ酸を作る研究をしていました。

企業での研究活動は、大学院で扱っていた内容と比べると
はるかに目的意識のハッキリしたものです。

企業ですから利益に結びつくことが求められるわけです。
そして同時に、スピードも求められます。

ある程度の期限までに、商品という形に近づけるだけの
成果を出す必要があるのです。

そのような状況で成果を出す人たちには共通点があります。
それをNLPの観点から説明すると、
「チャンク・ダウン」の技術ということになるでしょう。

まずは研究における目標設定ですが、
これは企業の場合には比較的シンプルです。

コストダウンや新製品の開発といったところでしょうか。
利益に結びつく可能性を見出すことが研究の目標と言えます。

だからといって、利益に結び付けば
何でもいいというわけではありません。
いわゆる知的財産という考え方があります。

他の企業が特許を取っている技術は使えないのです。

他の企業がやっていない方法で成果を
出さなくてはいけないわけです。

また、他の研究者の情報も知っておく必要があります。
私のケースでいえば、アミノ酸の製造に関する研究でしたから
アミノ酸に関する他の研究成果を調査しておく必要がありました。

たとえば、コラーゲンが肌のために
良いというデータがあったとします。

そして、別の研究者がコラーゲンの成分を調べていて、
コラーゲンにはヒドロキシプロリンという特殊な
アミノ酸が含まれることを発表しています。となると
「ヒドロキシプロリンを安く作れれば、
    肌に良いアミノ酸として売れるのではないか」と考えるわけです。

そして、また別の研究者がヒドロキシプロリンを
作るための酵素を調べていたら、それを利用して
ヒドロキシプロリンの生産を検討してみる。

そのような流れで研究を進めることを考えると、
他の研究者が発表している情報を広く知っておくことは
非常に重要なわけです。

下記の説明がワンポイントアドバイス的な文章のため

ちなみにヒドロキシプロリンを人間の体内で作るときには、
必ずビタミンCが使われます。

ビタミンCが不足するとコラーゲンが作られなくなって
壊血病になってしまいます。

お肌のためにビタミンCが良いと言われるのは
コラーゲンを作るのに必要だからなのです。

話を戻しますが、こうした話から言えるのは
現状をしっかりと調べることの大切さです。

何かの目標に向かって進んでいくとき、
自分自身の置かれている状況や、
それを取り巻く周囲の情報を知っておくことが大切だということです。

研究の場合にはオリジナリティが
強く求められますから現状の調査が特に重要ですが、
他の分野においても情報収集は必ず役立つはずです。

仕事であれば同業他社の情報、人間関係であれば相手の特徴、そして他者との違いとして自分自身の強みを知っておくことも、目標に向けて進んでいく上で活用できるものでしょう。

オリジナリティが必要ない場合であれば、
他人から学べることは沢山あります。

スピーチが苦手だとしたら、我流で頑張るやり方の他にも
本を読んで勉強してみる方法だってあるわけです。

苦労してコツを身につけなくても
最初から上手いやり方を教えてくれる人がいるかもしれません。

自分の置かれている状況をよく調べること。
目標に向かっていく流れを考える上で大切なポイントです。

目標の先にあるものを考える

次のポイントは「メタアウトカム」という考え方です。

NLPでは目標のことを「アウトカム」と呼びますが、
「メタアウトカム」というのは、
アウトカムの先にあるものという意味です。

「メタ」は「~を超えた」という意味なので、
目標を超えて大切なものを意識しよう、ということになります。

研究の場合には、メタアウトカムも

 

意外と分かりやすいことが多いようです。
大抵の研究者は、何か新しいことを知りたいとか、
自分が分かっていないことを知りたいとか
、いわゆる探究心というのを持っています。

ですから、研究における目標が
「ヒドロキシプロリンの製造法を開発すること」だったとしたら、
メタアウトカムは「今までに誰も作れなかったものを作れるようになる喜び」と言えそうです。

学問として研究をする人の場合には
「誰も知らないことを知る喜び」は大きな原動力だと思いますが
その他のメタアウトカムとして
「成果を出して名声を得たい」というものかもしれません。

もちろん、企業での研究の場合には
「新しい方法を発見して利益をあげる」という
大前提とも言えるメタアウトカムがありますから、
方向性がズレることは少ないわけです。

ところが、日常的な目標の場合、
メタアウトカムが曖昧なままに
行動をしてしまうことが少なくありません。

たとえば、「ダイエットをして、体重を10kg減らしたい」という
目標を立てたとしましょう。

その場合のメタアウトカムとして考えられるのは
「美しくなりたい」とか、「健康になりたい」とか
「異性にモテたい」とか、そういったことでしょうか。

ここで気をつける必要があるのが、
そのメタアウトカムに対して、
その目標が適切かということです。

美しくなる方法は10kg痩せる以外にもあるはずです。

健康になるのだって、体重は1つの指標に過ぎませんから、
運動によって体重は変わらなくても
内臓脂肪が減ることはあるかもしれません。

異性にモテるということに関しても
性格や話術で魅力を発揮している人は沢山います。

そして、さらにその先のメタアウトカムだってあるでしょう。
美しくなって、健康になって、異性にモテて、その結果どうなりたいのか?
本当に求めているものは何かということです。

それが、10kg痩せることだけに固執してしまえば、
痩せたは良いけど表情が暗くなったとか
食生活で無理がたたって体力が落ちてしまったとか
本当に求めていたことと逆方向に行ってしまうこともあり得るわけです。

つまり、メタアウトカムを意識することで
自分の進みたい方向性を明確にしておけるということです。

目標までの道筋を分割する

その次のポイントが「チャンク・ダウン」です。
「チャンク」は「かたまり」という意味。

「チャンク・ダウン」は、取り組む対象のかたまりを小さくして
詳細に考えてみましょうということになります。

目標設定においては、その途中経過を
明確にしていくことがチャンク・ダウンにあたるでしょう。

映画の絵コンテのようなものを
想像してもらえれば良いかもしれません。

先ほどのダイエットの話であれば、
1年で10kg痩せることが目標だとしたら、
半年で5kg、2ヶ月で2kgという具合に途中段階を考えるわけです。

これは時間ごとに目標をチャンク・ダウンした場合ですが
実際には、もっと細かく考えることもできます。

具体的な手段として、食生活の改善と
定期的な運動の2つを計画したとします。

まずは、食生活を改めるために間食をしないという方法で1ヶ月過ごしてみる。
それだけでも少し体重が減るだろうから、
その次の月から食事のメニューを野菜中心にする。

そして2ヶ月後に2kg体重が減って体が軽快になってきたら
毎日10分のジョギングをする。

1ヵ月もすれば、ジョギングにも慣れてくるだろうから
そこでジョギングの時間を20分に伸ばす。

その生活を続ければ、きっと半年後には5kg痩せているだろう。
あとは順調にいけば一年で10kg痩せるのは可能なはずだ。

…そんな具合に途中経過を計画していくのです。

NLPには、目標達成のための技術として
「チェイン・プロセス」という手法がありますが、
これはまさに、目標とメタアウトカム、
そしてチャンク・ダウンした途中経過を
明確にイメージしていく技法と言えます。

ところが、実際には予定したとおりに
目標へ向けて進んでいける場合だけではありません。

むしろ、研究のように新しく何かを生み出すときには
予定どおりに進まないことのほうが多いものです。

もちろん研究においても目標に向けて
チャンク・ダウンした計画を立てますが
そこに工夫が必要になってきます。

このチャンク・ダウンした戦略の立て方こそ、
研究者の腕の見せ所であったりもするのです。

中には、とくに戦略を明確にせずに、
思いつくままで研究を進めていく人もいます。

その場合、上手くいかなくなったら別の方法を考えて
対処をしていくことになります。

当初にチャンク・ダウンして立てた計画とは違ってしまっても
計画をアレンジしながら進めていくということです。

こうした方法は上手くいくときには早く進んでいきますが
行き詰まってしまうことも少なくありません。

途中まで上手くいっていたようだったのに
結局スタート地点に戻ってやり直し。
そんなケースもあるのです。

 そのため、優秀な研究者は、多くの場合に保険をかけています。
複数の戦略を考えているわけです。

いくつもの仮説の中から、上手くいきそうな可能性を選び、
同時並行で複数の流れを進めていくのです。

予測していたことと違って行き詰まってしまった場合には
別の戦略で進めていたほうを主流にしていくわけです。

これはつまり、チャンク・ダウンしていくときから、
いくつもの可能性を考えておくということです。

 

目標を達成する方法は1つではありません。
分かれ道での選択を繰り返しながら、目標に向かっていくのです。

ダイエットの話でいえば、1年後に10kg痩せているためには
必ずしも半年後に5kg痩せている必要はないはずです。

半年までに7kg痩せるのは簡単にできて
そのあとの3kgに苦労するかもしれませんし、
最初はなかなか痩せなかったのが最後の3ヶ月で
一気に痩せられるかもしれません。

半年後に5kg痩せているとしても、そこに至る過程も様々。
目標から逆算していけば、選択肢は徐々に増えていくわけです。
つまり、スタート地点こそ、最も多くの選択肢があるのです。

まず間食をやめるところから始めていく方法もあれば、
最初に軽い筋トレをして基礎代謝を上げるところから
始めるやり方も考えられます。

運動や食事制限など、数多くの選択肢の組み合わせの中から、
目標に辿り着くためのルートをいくつか考えてみるのが大切でしょう。

ダイエットであれば、とんでもない行き詰まりはないかもしれませんが、
仕事などでは予想外のことが起きる可能性もあるはずです。

そのためにも、目標までの道のりを複数の
可能性にチャンク・ダウンしておくのが大切だということです。

人生のメタアウトカム

 

以上の目標達成のためのポイントをまとめると
現状把握、メタアウトカム、チャンク・ダウン、ということになります。

こうしたポイントは、人生というような
大きな目標に対しても同様に大切なものとなってくるでしょう。

目標を見いだせているのであれば
その目標に向けて役立つものを探すのに現状把握が役立ちます。

自分の置かれている状況、自分が過去にしてきたこと、
自分の周りにいる人々の、それらの中に財産があるはずです。

そして、メタアウトカムを意識する。
目標を達成することで、どうなりたいのか。

それには人生の時間を、ずっと先まで進めてみるように
想像するのが良いかもしれません。

自分が人生を通して何を残していきたいのかということです。
世の中との関わり方という見方もあるでしょう。

人生の終着点としてのメタアウトカム。
それが感じられていれば、そこに至る道筋も見えやすくなってくるはずです。

目標へ至る道は一本ではありません。
チャンク・ダウンして考えたとき、
選択肢は無数にあるのです。

ただ、人生という流れにおいては、
同時並行で何人分もの生き方を進めていくことはできません。

いつでも無数にある選択肢の中から1つを選ばなくてはいけません。

選択の結果に後悔しないためにも
メタアウトカムを意識した選択をしていきたいものです。

場合によっては、目標が変わってくることもあるかもしれません。

人生のメタアウトカムが変わるほど、
衝撃的な体験をする場合もあるかもしれません。

それは今までに気づけなかった
大切な何かを知るタイミングかもしれません。

それでも、深く、深く自分に向き合っていけば、
自分にとって本当に大切な人生のメタアウトカムが
見えてくるときがあるはずです。

「たぶん、これが揺らぐことはないだろう」
そう思えるようなメタアウトカムです。

むしろ、そうした実感が得られるまでは、
「人生の目標を見いだすこと」を当面の目標にするのも
悪くないのではないでしょうか。

目標を見つけるためのヒントは、現状から探せるはずです。

現状とは、自分を含めた全てのものの過去からの
積み重ねと考えることができます。

私たちの生活の大部分が、
先人たちの知恵の上になりたっているのです。

その知恵を知るということです。

一般的に考えれば、小学生のうちから人生の
目標を定めておく必要はないでしょう。

ある時期までは先人たちの知恵を学ぶことも大切なわけです。
それらを踏まえた上で、自分が何をしていくかを考えていく。

その時には、自分の過去を振り返り、
自分の周囲を見つめてみるのが良いようです。

「自分の目標が分からない」と感じたら
その時こそ目標を探すという一歩を踏み出した
タイミングなのかもしれません。

目標を見いだすというセレンディピティ

研究においては、選択肢を広げたチャンク・ダウンをして
複数のルートを進めていると、思わぬ発見をすることがあります。

想定していた目標とは全く違うけれども
非常に価値のある偶然の発見です。

大きな進展と成果をもたらしてくれる予想外の発見。
これを、努力し続けたことへのご褒美だと捉える人もいます。

そうした偶然の発見を「セレンディピティ」と言いますが、
人生においてセレンディピティを経験する人も少なくないようです。

むしろ、人生の目標に気づいたとき
振り返った過去にはセレンディピティと思えるような
経験が残っているものかもしれません。

人生の目標が見つける。それにも時期があるのです。
その時期までは、先人たちの知恵を学び
自分と向き合い、メタアウトカムを探っていく。

そうやって目標を見出していくプロセスそのものが
とても価値のあることのように思えます。

逆に、目標がアッサリと決まってしまったとしたら
それを心の底から信じられるでしょうか?

カップラーメンにお湯を注いで待っている間を
利用して適当に決めた目標が、自分が一生をかけて
取り組んでいきたいテーマだと思えるでしょうか?

何年もかけて、一生懸命に悩んだ中で気づいた目標こそ
自分が納得できるテーマではないでしょうか。

大切なことです。堂々と悩めばいい。
自分の人生に真剣な証拠でしょう。

そうして自分と正面から向き合っているうちに、
目標に気づくときがやってくるかもしれません。

それは偶然のフリをしてやってくる
ご褒美のようにも思えるのです。

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