50代からの起業!成功のキーワードは『コミュニケーション能力』です
第2の人生、セカンドキャリアをスタートしたい 増え続けるシニア起業家と課題
2019年、厚生労働省が公表した日本人の平均寿命は
男性81.25歳。女性87.32歳。
日本は世界一の長寿国となりました。
60代で定年したところで
その後の長い人生どうするのか?
年金支給年齢を高齢化していくためにも
長い人生、イキイキと働きましょう!
政府の本音が見え隠れする中、
国や各地方自治体は
シニア起業家支援資金などで
セカンドキャリア、起業家を応援しています。
その流れからか、
50代で会社を退職し
起業家としてセカンドキャリアをスタートする、
シニア起業家と呼ばれる個人事業主が年々増加しています。
1人1人の人間が
自らの人生において、自らの意思によって、
様々なキャリアを探して進んでいくことが、当たり前の時代。
人生の大きな岐路と決断。
起業というセカンドキャリアは
色々と悩み、考え抜いた上で決断したことでしょう。
しかし、実際に始めてみてから
もっと準備をしておけばよかった
と後悔する人も多いようです。
50代からシニア起業にするためには
40代・50代でどのような準備をしておくべきなのでしょうか?
なぜ、このタイミングで起業へと駆り立てられるのか?
2019年、「老後資金は2000万円必要」との
金融庁からの報告書が話題になりました。
あなたはこの2000万円の前提をご存知ですか?
この2000万とは
65歳以降の30年間を夫婦2人で暮らし、
かつ年金を受給した上で、
保有資産から取り崩しが必要な金額のこと。
60歳から65歳までの期間は含まれていません。
60歳から65歳、年金が貰えるまでの5年間に
夫婦2人暮らしで掛かる生活費は約1000万円と言われています。
安心して老後を迎えるためには
十分な貯蓄をしておくか、
60歳以降も何かしらの方法で稼ぐことが必要です。
一方で、50代以降、会社員の給与は
どんどん右肩下がりになっていきます。
会社は雇用を守るために、人件費をカットせざるを得ないからです。
50歳~55歳で役職定年を迎えると、
役職手当がなくなり、給与は2割~2.5割ほど低減。
役職定年がない会社でも、
55歳以降はプラス査定がつかなくなるといった対応もあるそうです。
仕事面でも、職場や仕事内容が変わったり、
かつての部下が上司となったり、
新しい立場や環境の変化に適応性が求められることに・・・
また、60歳で定年を迎えた後、65歳までの継続雇用では
給与は1/2~1/3に下がります。
60歳以降の継続雇用の仕事内容は
新しい環境や経験のない仕事という心理的な負担を軽くするため
定年前にしていた仕事に関連のあるものか、
さほど変わらない仕事をしている
という人が多いそうです。
ただ、心理的負担が少ない仕事だとしても
以前と同じような業務内容なのに
給与はガッツリ下がる現実に
モチベーションを維持できない人も出てきています。
環境と給与の変化という現実を目の当たりにし、
それであれば、会社に残るよりも
セカンドキャリアとして起業し、
自分1人でイキイキと働き続ける方がよい!
お金とやりがいを両立させたい!
このように、
お金とやりがいのある仕事のバランスを求め、
個人事業主として、50代からの起業へと駆り立てられています。
起業してから後悔したこと
Aさんは50代で起業した1人。
会社では、システムエンジニアとして活躍し
マネージャー職も務めていました。
デジタルコンテンツを使った販売戦略や
社員教育などのコンテンツ提供する、
コンサルタント兼実務担当として起業。
この先、会社で働き続けるよりは
60歳以降も継続できる仕事を
自分の意志で自由に続けられる、
「自分の居場所」を確保したいと思いました。
でも、実際に始めてみて思ったのは
色々と考えが甘かった・・・ということでした。
「私なりに退職前から、起業について勉強し、
準備をして、起業したつもりでした・・・」
自身の技術スキルには自信があったAさん。
コミュニケーションも得意な方だと認識していました。
「起業して、個人事業主となると
営業も経理も自分1人でやることになる。
1人で全てこなせるようにならなければ・・・」
自分にとって、起業における一番の課題は
ここだと考えていたそうです。
起業セミナーでノウハウを学び、
退職前にホームページを作り、名刺を作り、
専門家にも入ってもらいながら
起業のためのインフラを整えて行きました。
「しばらくは、仕事を貰える伝手があったので
起業に踏み切ることができました。
それを皮切りに色々とプロモーションを
掛けていこうとしていました。」
「何よりも、顧客のニーズに応えるものを提供する自信があった。」
でも、実際はそう上手くはいきませんでした。
提案した商品について
「イメージが違う」
「ユーザーの希望と合わない」
「・・・」
クライアントに満足してもらえず、
プロジェクトが進まなくなったのです。
「なぜ上手くいかないのだろうか?」
悩み続けたAさん。
ある日、顧客とのコミュニケーションから
その理由に気がつきました。
「あなたが元々勤めていた会社だったら、
この仕事は喜ばれただろうけど、
うちのような中小企業ではこれは必要ない。」
この一言で、
自分が今までの会社生活の価値観を持ったまま
個人事業主として仕事をしていることに気がつきました。
仕事の依頼内容について
会社員時代の価値観や文化で解釈し、
クライアントに提案していました。
自分の価値観で物事をはかり、
コミュニケーション不足から
クライアントの心理を読み切れず、
本当のニーズを押さえられていなかったのです。
そして、会社員時代と同様に
相手からの指示を待っていたと思います。
この提案がダメなら
具体的にこうして欲しいと指示がくることを
勝手にイメージしていた。
投げたボールが手元に返ってくることが
当たり前だと思っていました。
起業して自分から仕事を創造し、お金を生み出すことを
どこかで甘く見ていたのです。
今、思えば
起業のために本当に必要な準備とは
インフラを整えることではなかった。
「自分は起業家として働くのだ」というマインドを
育てておくべきだったと思います。
あなたが起業する前に学ぶべきこと その1:起業家精神・心理
もし、あなたが今からセカンドキャリアとして起業するのであれば
起業家としての第1歩として
まずは、起業家精神、その心理を学ぶことをオススメします。
企業家(起業家)として成功するものは
その目的が金であれ、力であれ、
あるいは好奇心であれ、名声であれ、
価値を創造し社会に貢献する。
自らのアプローチの仕方が
やがてこれを使うことになる人たちの
期待や習慣にマッチしているか?
やがてそれを使うことになる人たちが
そこに利益を見出すようになるには、
何を考えなければならないか?
顧客や利用者を見て、
彼らの期待、価値、ニーズを、知覚を持って知る。
価値や満足を創造する。
これらは、P.F.ドラッカーが
「イノベーションと企業家精神(ダイヤモンド社)」で伝えている言葉です。
これら更に要約すると
顧客とコミュニケーションをとり、
現実と認識のギャップに気づき、
本当の顧客のニーズを見つけよう。
その結果、価値あるものを創造できる。
「起業家として自分はこうありたい!」という信念は大事です。
でも、顧客が求めるものとあなたの想いには
乖離があることを認識しておく必要があります。
顧客の心理から、
真のニーズを見つけ出し、
それを価値として創造する。
これこそ、
全ての起業家がやるべきこと。
単に知識として得るだけではなく、
本格的に起業する前に
スモールビジネスやパラレルキャリアを
実際にやってみるのも良いでしょう。
実践に勝る経験はありません。
顧客の心理を読み取る経験が
あなたの起業家精神を育ててくれます。
あなたが起業する前に学ぶべきこと その2:コミュニケーション
起業する前に学ぶべきことの2つ目はコミュニケーションです。
顧客のニーズや心理を知るために
顧客を観察し、質問し、聞く。
コミュニケーションは何より大事です。
あなたは相手と
コミュニケーションができていると
自信を持って言えますか?
先程、起業してからの後悔を教えてくれたAさんは
自分はコミュニケーションが得意だと思っていました。
しかし、あの出来事以降、
コミュニケーションを学び直し、
「自分が得意だと思っていたものは
本当のコミュニケーションじゃなかった」
と気づいたそうです。
Aさんは
会社では上司や部下と、頻繁に会話もしていたし、
その場を雑談でなどで盛り上げるのも得意分野。
盛り上げ上手で、人付き合いの上手い自分は
コミュニケーション能力が高いと思っていました。
でも、Aさんが得意だったのは
言葉や文章などの言語を使ったコミュニケーション。
相手との会話だけがコミュニケーションではありません。
非言語のコミュニケーションも存在します。
非言語のコミュニケーションとは
会話や文字以外、言葉を使わないコミュニケーションのこと。
表情、声のトーン、話す速度、視線、身振り、服装や距離感など。
言葉以上に多くの情報を伝えてくれています。
非言語のコミュニケーションは
ビジネスにおいてとても重要です。
相手の感情や気持ちをくみ取ったり、
呼吸を合わせたり、
信頼関係を築くために役立ちます。
相手の心理やニーズを知るためには
見聞きしたものを論理的かつ詳細に
分析する必要があります。
感情、思考、態度、価値観、信念・・・
そんな背景が隠されているかもしれません。
単に知覚するだけではダメ。
知覚は見えるものではなく、
自分が見たいものを見ているに過ぎないからです。
例えば、
文章で書かれた依頼事項1つにしても
相手の態度、表情や目線、
返事をするまでのちょっとした間、
会話の中で繰り返し出てきた言葉など
コミュニケーションから得られる情報によっては
その文章の解釈は変わってくるかもしれません。
文章に書かれていることが
相手のニーズの全てではない、
全て言語化されているわけではないことに気がつくでしょう。
コミュニケーションで相手を理解した上で、
どのような関わりを持っていきたいか。
あなたのコミュニケーションが
相手の心配点に寄り添い、相手が癒され、
モチベーションを高めることにつながったら・・・
相手はあなたと一緒に未来を作る行動へと
うながされるのではないでしょうか。
卓越したコミュニケーションは
あなたと顧客の距離を近づけます。
Aさんも非言語のコミュニケーションを学ぶことで
クライアントが本当に望むものが何なのか、
見つけられるようになったと言います。
相手をよく観察することで、会話の糸口も増え
言語のコミュニケーションも更にレベルアップしたそうです。
あなたが起業する前に学ぶべきこと その3:NLPという心理学
起業する前に学ぶべきことの3つ目は心理学です。
特にNLPという心理学をオススメします。
NLPとは、
3人の天才セラピストの心理療法を行う際の
コミュニケーションのパターンを分析し、体系化したものです。
コミュニケーション心理学とも言われています。
NLPは、主にコミュニケーション・自己開発・心理療法に役立ちます。
NLPを学ぶことは
卓越したコミュニケーションを学ぶ手助けにもなりますが
NLPを学ぶ何よりのメリットは
「自分を動かす」スキルを手に入れることです。
再び、P.F.ドラッカーの言葉を借りると、
今まで学んできたことが、基盤になることは間違いない。
しかし、これからの人生に対して
全面的に依存するものではない。
伝統、慣例、方針は助けになるどころか障害になる。
あなたが今まで学んだことは、
あなたのベースにはなるものの
その大半は年を取り、硬直化し、陳腐化し、
新たな知識や技能を磨く必要がある。
今から新しいことを学び続けることが常識となる。
起業したら、自分の行動こそが全て。
過去の栄光、スキルで生きるのではなく、
一人ひとりが自らの継続学習、自己啓発、
キャリアについて責任を負わなくてはなりません。
新しい挑戦の連続です。
だからこそ、
NLPで学ぶ、「自分を動かす」スキルは
非常に重要となってきます。
何かうまくいかない・・・
そんな感覚に気づいたら、
自分の内側と向き合ってみる。
その根本が何だったのかを探り、
自分を認めて、
自分に寄り添い、
自分を癒し、
モチベーションを高める。
この一連の心理学のテクニックを
NLPで学ぶことができます。
実は問題の多くは
外側ではなく、自分の内側に在るもの。
そのため、自分とのコミュニケーションはとても重要です。
NLPは、
「体験、プログラム、言語が身体や行動のパターンに
どのように影響を与えているか」という、
心と行動のメカニズムを伝える心理学。
どのような心境のときに、自分がどんな行動をするのか?
あなたを紐解いていくのです。
NLPという心理学を学び、
自分自身と向き合い、
心を動かすことができれば
必ず行動は変わってきます。
そして、
「自分を動かす」ことができる人は
同じテクニックで、人を動かすこともできるのです。
セカンドキャリアをスタートしよう
水の入ったコップを想像してみてください。
コップに「半分入っている」と「半分空である」とは
量的には同じです。
ですが、意味は全く違います。
とるべき行動も違ってくることでしょう。
あなたにとっての世界の認識が
「半分入っている」から「半分空である」に変わるとき、
そんな意識のイノベーションが起こったとき、
あなたの起業家としてセカンドキャリアが
本当の意味でスタートする瞬間なのかもしれません。
このスタートラインに立つためにも
コミュニケーション、NLP、心理学をぜひ学んでみてください。
これらはきっと、あなたの一生の財産となります。
あなたの知識と経験に対する、新たな挑戦です!
あなたのセカンドキャリアを始めましょう!