NLPを実践して活躍する卒業生たち
小山 健太郎
職業 会社経営
■コミュニケーションには自信があった
大学時代、ラグビー部に属し、チームプレイをしてきた私は、
自らの「コミュニケーション能力」に疑いをもつことはありませんでした。
「自分は普通に、自然に他人とコミュニケーションできている」と思い、
大学卒業後に入社した会社では、
コンサルタントとして長年に渡り各社の経営課題解決に取り組んできました。
クライアントとのやり取り、部下の育成・教育では大過なく、順調にすごしました。
自分の年齢の3倍以上年配の経営者の方々にも臆することなく、
クライアントとしておつきあいできる自分のことを、
「きちんとコミュニケーションがとれている人間」である、
と自己評価していたのです。
そして仕事の重要な部分をしめる「コミュニケーション」について、
入社当初からから興味を持ち、勉強をし、情報を集めました。
その中にNLPももちろん含まれていました。
「NLPがわかるとビジネススキルもアップ!」
などという宣伝文句で誘う他社の講座などもありました。
実は、その当時に日本コミュニケーショントレーナー協会の講座も見つけたのですが、
その時は「う~ん、30万円か、高いなあ…費用対効果はあるのかな…」
などと迷いに迷ったあげく、20代の自分にとって申し込みすることは到底考えられず、
「とりあえずおいとく」というぐらいの状態でした。
■上司との出会いによって講座に申し込む
しかし、今から一年半前のこと、転職の機会と同時に、
日本コミュニケーショントレーナー協会の講座へ申し込むきっかけが訪れました。
転職先では、記憶力や発想力を上げる思考ツールであり、
ノート術でもある「マインドマップ」を基礎においた研修・コンサルティング事業を
行なっており、今までよりさらに高度なコミュニケーション能力が
求められるようになりました。
コミュニケーション能力には漠然と自信を持っていたものの、
「もっと勉強しなければいけないな…」と考えていました。
そんな気持ちで過ごしていた時に、偶然、職場でNLPを勉強している人が複数名いて、
上司もNLPを勉強しているということを教えてもらったのです。
みな、それぞれ違う機関でNLPを勉強していました。
もともと興味があったNLPですので、自分なりにDVDを取り寄せたり、
資料を取り寄せたりして比較してみました。
数多くの機関があるので、なかなかひとつに絞りきれないでいる私に
「NLPを勉強するなら、日本コミュニケーショントレーナー協会が一番いい。
とても深い学びと気付きが得られる。」と、上司が勧めてくれたのです。
しかし、自分なりに納得できないと行動しない私は、
上司の勧めがあったからといって、すぐに申し込むことはありませんでした。
そこで「体験コース」に参加しました。
その時にはじめて出会った椎名トレーナーに大きく影響を受けたのです。
■トレーナーは「ひきだし」が多い!
体験コースに参加してはじめの一時間目の時でした。
椎名トレーナーの様々なやりとり、受け答え、他の参加者への言葉かけ、
などを拝見していて「あ!この人はひきだしが多い、これはいいぞ!」と思いました。
漠然とした自己啓発というよりも「仕事でNLPを使いたい」という明確な希望があった私は、
「NLPとは、こういうもので云々…」というような「講義」よりも、
参加者の声に実に的確に「的を射た」答えを返していく椎名トレーナーのやりとりに、
「なるほど、これは仕事で使えるぞ!」と納得し、
日本コミュニケーショントレーナー協会の講座の価値をまず認めたのです。
他の参加者へ答えているにもかかわらず、
私にも「的を射た」と感じるように、
つまり「心から納得がいく」ように言葉を発していく椎名トレーナーの姿に、
自分がまさに欲しかったモデルをみつけた気がしたのでした。
そして体験コースを終えたその日に、早速プラクティショナーコースを申し込みました。
コースを受けていく中で、講座の2回目か3回目でしょうか。
受講しはじめてかなり早い時期に
「どうせやるならマスタープラクティショナーコースも受けよう」と思いが強くなり、
西村トレーナーに「マスターだと、なにがプラクティショナーと違うんですか?」と
率直に質問しました。
西村トレーナーは「プラクティショナーコースで行っているワークを、
さらに統合してワークショップを行います。
より深くNLPを体験して学ぶことができます。」など、
詳しくマスターコースの内容を説明してくれました。
そこで、躊躇なく参加することを決め、
2008年10月にはマスタープラクティショナーコースを修了しました。
つい一年半前には「30万円、高いな~効果あるのかな…」などと思っていた自分が、
この一年で続けざまに2つの講座を受けたのです。
それは、実際に「効果」を認めたからです。
■家庭でワークの実験台になってもらう
他の受講生の方からは「へ~~!奥さん、協力的だね!」
「いや~~とても我が家ではできないなあ・・奥さん、すばらしいね!」と
驚嘆されるのですが、私は講座で習ったワークを、
毎回私の妻に実験台になってもらって「自宅復習」をさせてもらっていました。
私はカウンセラーとしての訓練は受けていないし、
本来なら習い初めの時期に、
ワークの内容を他人に安易に行ってはいけないのかもしれませんが、
そのあたりを妻は、「学校の予習・復習の感じよね」と快く理解して協力してくれました。
そんな中、自分の勉強だけではなく、妻の「苦しみ」を取ることができたのかも…
というワークがありました。
妻は長年、不眠症まではいかないまでも眠りが浅く、
ときどき夜中に目が覚めて翌日つらい思いをする、ということを訴えていました。
私は布団にはいると10秒立たないうちに熟睡、
次に目が覚めるのは朝、という体質なので、妻の状態がさっぱり理解できず、
なにも助けてやることができないでいました。
それはプラクティショナーコースで学んだワークを、
マスタープラクティショナーコースでさらに深化させたセッションを終えたあたりの時期でした。
あまりに「眠れない」ということを嘆く妻に、自分がこれまで習ってきて、
さらにマスターコースで深化させたワークを「試してみないか?」と聞きました。
妻は、「やってみる」と同意してくれました。
そこで、まずは休日の午後、ゆっくりと時間をかけて不眠の状態を聞いてみました
。
眠れない時、どんな感じになるのか、その感じが体のどのへんから出てくるのか、
どんな感情が起こるのか…。
聞いているうちに、どうも人間関係が原因のようだ、ということがわかってきました。
なかなか会えないでいる母親や父親、もう亡くなってしまった叔父さんへの後悔、
というものが夜中に出てきて、「はっ」と起きてしまい、
その後はもうどうにも眠れなくなる・・
ということをやっと口に出してくれるようになったのです。
そこで、ポジションチェンジというワークを伝えてみました。
はじめに、目の前に相手がいるように想像して、その相手に言えなかったことを言ってあげる。
妻なら、亡くなってしまった叔父さんに
「なかなか会いにいってあげなくてごめんなさい」等々、
口に出してみる。
次に自分がその人になりきって、逆に自分に向かって話をしてみる。
亡くなった叔父さんになりきって「いいんだよ、来たかった気持ちはよくわかっているよ、
ありがとう」等々。
なかなか私の前では言いづらいだろう、
と思ったので「いつでもいいから、自分ひとりでいるときにやってごらん、
まあ、だまされたと思って…」ということでその時はおしまいにしておきました。
2日ほどたった朝、妻が「よく眠れる!」とにこにこして言ってきました。
妻は、私が会社に行っている間、
素直にポジションチェンジのワークを行ってみたようなのです。
これは、なにが良かったのか、実ははっきりわかりません。
しかし、ひとつ確実にいえることは、妻の不眠に関してまったく理解を示せず、
その原因も探ってあげられなかった私が、NLPの講座を受け、
そこで学んだことによって、「相手が口に出せないことをも理解する」
ということができた、ということです。
そして、理解できていない「不眠」ということについて、
妻とじっくりコミュニケーションをとることができた、ということです。
ポジションチェンジのワークのおかげか、私が妻の不眠を理解しようとした
行動がきっかけか、いずれにしても
、妻は現在も以前より寝つきがよくなったようです。
■妻と子どもの関係がよくなった
もうひとつ、家庭での例をあげます。
妻は、3歳になる子どもとうまく会話することができないでいました。
子どもが「わ~~~」と泣き出すと、おろおろしてしまうばっかりだったのです。
そこで、講座の中で習ったバックトラッキング(オウム返し)、
ペーシングのスキル等を伝えてみました。
まず子どもが何か言ったら、オウム返しに同じ言葉を言ってごらん、
できたら子どもの感情もたどってあげられればやってごらん…と。
「“受け入れる”と“受けとめる”とあると思うけど、
とりあえず“受けとめる”だけでいいから」と伝え、
「まあ、だまされたと思って」とここでも付け加えました。
妻は、素直にやってみてくれました。
「おなかすいた~~」と子どもが言うと、「あ~おなかすいたんだ~」等々
。
ただ、なかなか感情をたどる、ということは難しいらしく、
「棒読み」の状態で言葉にだしているだけではあるのですが・・・。
しかし、子どもは母親の変化をものすごく敏感に感じ取ったらしく、
だんだん癇癪をおこすことがなくなってきました。
母親は自分を受けとめてくれている、と感じることができるようになったようです。
激しく泣くこともなくなり、
そうなると妻も子どもに向かって笑顔を見せる時間が多くなり、
傍目でみていても、本当に仲のよい母子になりました。
もちろん、子どもが成長しただけかもしれませんし、
なにがよかったのかはわかりません。
ただ、「言葉にできないものを理解する」方法を講座でより深く学んだ結果、
それを家庭でも伝えて、実践することができたんじゃないかなぁ、と思っています。
幼い子どもは、もちろんすべてを言葉にすることはできませんが、
妻もなかなか言葉にだしてくれない人です。私は「言葉ありき」の人間で、
黙っている人のことをなかなか理解できないでいました。
相手が黙っていると、その空白を埋めるようにどんどん言葉を継ぎ足していくのが常でした。
「それがコミュニケーションだ」と勘違いしていたのです。
そして、沈黙している相手は「なにも考えていないんだ」と決め付け、
時にはそれにむかって自分勝手にイライラしていたものでした。
相手の「非言語」の部分、
言葉にならない部分に目を向けることに気づかせてくれたのは、
日本コミュニケーショントレーナー協会の講座でした。
私は、若いころからコミュニケーションスキルには自信があったにもかかわらず、
「言葉に出さない相手の気持ち」や「言葉に出ない意識」などには、
まったく意識が向いていなかったことに気づかされたのでした。
こんな私のことを「前は頭でっかちで、
コミュニケーションとはこういうものだってよく言っていたけれども、
このごろはそれがなくなって、なんだかもっと話を聞いてくれるようになった」と
、
妻は評します。
実に「的を射た」評だと思います。
■講座の中で「自分と向き合う」
講座では様々なワークを行いましたが、私を大きく変えてくれたのは、
「自分と向き合う」ことを気づかせてくれたワークでした。
それは、実は「つらい」ものでもありました。
タイムラインというワークを行った時です。
簡単に説明してしまうと、過去をきちんと捉えて、目標を明確に立て、
達成感を味わい、それによってさらにモチベーションをあげていく、というワークです。
その趣旨は、自分でも昔から意識せずにやってきたことだし、
多くのビジネスパーソンに求められているスキルだと思います。
しかし、日本コミュニケーショントレーナー協会の講座がユニークなのは、
そのワークについて五感をフル活用してすすめていく、というところでした。
原田トレーナーによってそのセッションがすすめられていた時のことです。
2人一組になって過去に遡っていき、
私は、幼稚園のころのことまでを思い出すことができました。
その時、25年以上一度も思い出すことがなかった「母親の言葉」を、
突然思い出したのです。
それは、人間関係やお金に関することでした。
まったく忘れていたのに、なにがきっかけになったのか…
しかし、確かに言われた覚えのある言葉でした。
母親は、「お友達と仲良くするのはとってもいいことよ。
…でも、結局他人ですからね、迷惑はかけてはいけません」とか「お金は大事なものです。
…でも、もっと大事なものは健康ときちんと生きることです」…と、
今、こう言葉に出しても恥ずかしくない立派な言葉をかけてくれていました。
4歳か5歳の私も、「これは正しいことだ」と理解していたのだと思います。
まったく疑いも持たなかったからこそ、二十年以上忘れていたのだと思います。
しかし、この「母親の言葉による作られた信念」によって、
今現在の自分の「壁」が構築されてきたのだ、
ということに、はたと気づいてしまったのです。
「友達は、結局は他人」ということで、
今に至るまで知り合いや友人は多くいても、
自分の中では「一匹狼的生き方でいいのだ、そのほうがかっこいい」とさえ思っていました。
うまく人と関わっているようで、
実はなんとなく「壁」をいつも作っていたことに気づかされたのです。
このときは、実はとっても辛い気分になりました。
家族である妻とも、ちゃんと人間関係を作れていなかったのではないか、
としばらく悩みました。
また、お金にいまひとつ貪欲になれない自分がいます。
「お金よりも大事なものがある」という母親の言葉のせいだけではないとは思います。
すべてを母親との関係に収束することはできません。
しかし、人間関係にせよ、お金に関してのことにせよ、
このワークの後、なにを目標に据え、
何をしていったらいいのか・・ということが少しずつわかりかけてきたような、
そんな気がしています。
その「気づき」は私にとって大きな転換になっています。
■さらに学んでいきたい。「自分の内面にすべてがある」
実は、2009年の4月からプラクティショナーコースを再受講しようと思っています。
ちょうど一年前にはじめて受けたときには、もう毎回が精一杯で、
なんだかバタバタと過ごしてしまったような気がするからです。
マスタープラクティショナーコースを受けたときにも、
基礎をもう一度学び直したい、と思いました。
この再受講制度を利用される方は、結構おられるようです。
やはり、基礎は何度学んでもよい、ということでしょうか。
講座を受けることによって、他者とのコミュニケーションと同時に
「自分とのコミュニケーション」もよくとれるようになってきました。
今までの生活でもできてきた方だとは思うのですが、「自分は今、どんな状態なのか。
今、やりたいことは何か」ということをさらにシャープに
明確に決定することが可能になってきたのです。
私が、今とても実感していることは「自分の内面にすべてがある」ということです。
他人とのコミュニケーションも、結局は「自分の内面」がすべてである…
というようなことです。
今、この瞬間もそして未来も「自分の中」にある…。
もともとは、NLPのコースの宣伝文句にあるように
「NLPを使ってビジネススキルアップ!」というような非常に表面的なスキルの習得や、
現実的なことを目的にしていた私ですが、
日本コミュニケーショントレーナー協会の講座を受けることによって、
もっと深くて広い気づきを得たと感じています。
小山 健太郎
大学卒業後、大手上場企業にてITコンサルティングに従事。大規模案件のプロジェクトマネージャーとして50社以上のコンサルティング案件を手掛ける。2007年よりマインドマップ公認団体であるブザン・ワールドワイド・ジャパン株式会社に参画。企業におけるマインドマップを用いた組織開発、人材育成、コンサルティングを手掛ける。その後、経営コンサルティング会社をたちあげ、短期間のうちにビジネスを軌道に乗せる。